給料が上がればモチベーションは上がるのか!?
給料とモチベーションの関係
仕事をするうえでモチベーションは非常に重要です。モチベーションが高ければ仕事はとても楽しいですし、モチベーションが高い人と低い人では、生み出す成果は全く変わってきます。
モチベーションをあげるものは様々なですが、給与が上がればモチベーションが上がるのか!?について考えていきます。
ハーズバーグの二要因理論
仕事へのモチベーションに関する有名な理論に、ハーズバーグの二要因理論があります。
この理論では、人が不足していると不満を感じるものとして衛生要因、充足していると満足感を感じるものとして動機づけ要因(モチベーションが上がる要因)をあげています。
衛生要因には、給与・人間関係・組織(会社)の方針などがあがっています。
動機づけ要因には、達成・承認・成長・責任などがあがっています。
興味深いのは、この理論では衛生要因は不足することで不満が現れますが、充足させれば不満は消えても満足には至らないということです。動機づけ要因も同様に、充足していれば満足しますが、不足しているからといって不満には繋がらないという考え方をしています。(※因みに要因が満足・不満の片方にしか作用しないという考え方には理論が出された当初から賛否両論あるようです)
給与とモチベーション
給与とモチベーションの関係をハーズバーグの二要因理論で考えていくと、給与が上がったからといってモチベーションが上がることには繋がらないということになります。
給与が不足していれば不満になりますが、充足させれば不満は消えるもののモチベーションの向上には繋がらないということです。
一見するとこれは間違っているように感じます。しかし、昇給すれば「やった~!」と嬉しく感じるものですが、その気持ちは持続しません。そのうちもっと給与を上げて欲しい、これでは足りないなどと言い出すこともあります。
給与(報酬)はいわゆるドーパミン的な欲求です。ドーパミン的欲求とは、底なしといわれており、給与が上がれば満足しますがそれは一時的なもので、もっともっと欲しくなるというものです。
ギャンブルやお酒などもドーパミン的欲求です。これらにはまってしまうと満足を得られるレベルがどんどんと上がっていき、依存症を引き起こすこともあります。
まとめ
ハーズバーグの二要因理論で考えると、給与は上がれば不満を消すものの、モチベーションを上げるものではないということになります。
この理論でいくと、達成・承認・成長・責任などがモチベーションを上げる要因となっています。
確かに、給与がよい職場で働いている人は全員モチベーションが高いわけではありません。モチベーションを高めるものは人それぞれ違いますが、人から認められたり、自分の成長を実感したり、役に立っていると感じた時にモチベーションが上る人は多いのではないでしょうか。
モチベーションに関する理論は他にも様々ありますが、重要なのはその理論が前提としている人間への考え方(人間観)です。
人間は合理的で自己の利益のために行動するという人間観を前提とした理論と、人間は決して常に合理的ではなく、不合理で不条理でもあるという人間観を前提とした理論では、モチベーションを上げる要因も変化します。
こう考えていくと、結局は人間である以上、何がモチベーションを上げるかには正解はなく、個々それぞれであるという結論へと行き着きます。
そうなると、自分はどんなことで、あるいはどんな時にモチベーションが上がるのかを自分で知っていることが非常に重要となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。