簡単に理解できる「敗血症」
敗血症とは?
敗血症という病気を聞いたことはあるでしょうか?
急性期の医療機関では、メジャーな病気ですが、一般的にはまだまだ認知が低いと思います。
今日は敗血症について簡単に説明させていただきますー。
敗血症という病気は、「感染症」によって引き起こされる、臓器障害のことです。
「感染症」とは、細菌やウイルスなどが体内に侵入して炎症を起こし、症状が起こる病気です。
簡単に説明すると、感染症というものが原因で、体の臓器が痛んでしまう病気です。
この、敗血症ですが重篤な場合は命に関わるとても恐ろしい病気です。
ちなみに体の臓器とは、心臓や血管、脳や中枢神経系、肺、腎臓、血液などです。
具体的には、心臓と血管に起る障害として循環不全(重篤な循環不全はショック)
脳や、中枢神経系に起こる障害としては、せん妄や意識障害
肺に起こる障害は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)=肺水腫(肺が水浸しになって酸素の取り込みが著しく障害されます。心不全の肺水腫とは発症のメカニズムが異なります)
腎臓に起こる障害としては、腎不全
血液に起こる障害としては、播種性血管内凝固症候群=DIC(血液に微笑な血栓が多量にできたり、血小板や凝固因子が消費され出血傾向となります)
このような障害が、感染症を契機に様々な臓器で起こるのが敗血症です。
なぜ、このように様々な臓器に障害がおこるのか?
それには、炎症反応というものが深く関わっています。
炎症反応は、本来は自分の身体を守るために起こるものですが、過剰な炎症反応は、逆に自分の身体を攻撃してしまいます。
その一例が、アレルギー反応が引き起こすアナフィラキシー(ショック)です。
アレルギーは、自分の身体を守るために起こります。しかし、過剰なアレルギー反応は、逆に自分の身体を攻撃してしまいます。
このように、本来自分の身体を守るシステムが、誤って自分の身体を攻撃することが原因です。
尿路や、胆道系の感染症から敗血症になるような、敗血症の原因が比較的分かりやすいものから、どこに感染症が起こっているのかよく分からないような、治療に難渋する敗血症まで様々あります。
以上をまとめますと、敗血症とは細菌やウイルスが身体のどこかに侵入して、炎症を起こす。これが感染症です。
感染症で起こった炎症が、過剰になると自己防衛機能が誤作動して、自分の身体を攻撃してしまう。これらの反応を制御できずに、引き起こった臓器障害が敗血症となります。
簡単に説明すると、感染症から引き起こされた臓器障害となります。
感染やら、炎症やら、臓器障害やらと専門用語ばかりになりましたが、以上です。
☆最後までお読みいただきありがとうございます☆
「分かりやすかった」「他にも知りたい」と思ってくださった方は、「重症患者を看るための看護師ノート」に他の項目も色々載せていますので、是非ご覧ください。
セミナーのご案内
看護セミナーを開催しております。
詳しく知りたい方や、実践につなげたい方におすすめです。
通信での受講であれば、全国どこでも受講可能です。
是非ご活用ください。