うつ病を自分で予防する方法はあるのか
うつ病を自分で予防する方法~レジリエンス~
うつ病は心が弱い人、軟弱な人、根性がない人がなる病気ではありません。
誰でもうつ病になる可能性があります。
厚生労働省の調査(H26年)によると、うつ病を含む精神症状で医療機関を受診した人数は一年間で110万人だったというデータがあります。
110万人といえばかなりの人数といえます。ストレス社会の日本では、誰でもうつ病になる可能性があります。また不幸にも自殺される方の半数の原因がうつ病によるものというデータもあります。
何かに長期間頑張っている人は誰でもうつ病になる可能性があります。頑張っていることは良い事です、しかし頑張る事が続いたり、無理をしてまで頑張っていると、必ずこころや体は疲弊します。
こころや体のエネルギーが切れてしまった状態がうつ病です。
うつ病をもっと具体的に説明すると、脳がうまく機能しない状態です。そのためにこころや体もうまく働きません。
脳が正常に機能するには、脳にある神経細胞が正常に機能する必要があります。脳にある神経細胞は、体から分泌される神経細胞伝達物質の量が正常でないとうまく機能できません。
この神経伝達物質が少なくなったり、きれてしまったために脳がうまく機能しないのが、うつ病の原因といわれる有力説です。
神経伝達物質が減ってしまう原因は様々ですが、うつ病の場合は強いストレスや慢性的なストレスがからだにくわわったときに起こります。
適度な刺激≒ストレスはモチベーションを上げたり、目標を作ってそれに取り組むことができる良いものといえます。しかし、ストレスがあまりにも強い時や、慢性的にくわわると、人間はそれをうまく処理することができません。
うつ病を予防するには、このストレスをうまく処理したり、解消することが不可欠です。
ストレスを処理・解消することなんて、当り前と思う人もみえると思います。たしかに当り前ですが、これがなかなかできないのが現状です。
しかし、ストレスをうまく処理したり、うまく解消する方法はいくつもあります。
レジリエンスという言葉を聞かれたことはありますか?
レジリエンスとは「受け流す」という意味です。うつ病などのメンタルヘルスの病気になりにくい人は、「レジリエンス」という能力が高い人といわれています。
ストレスがかかったときに、そのストレスに立ち向かったりするのではなく、のれんのように受け流すことです。
のれんは強い力がくわわってもふわりと受け流すことができます。強いストレスがくわわっても、それをふわりと受け流すイメージです。
例えば、あなたに対して敵意を出す人がいるとします。その場合、レジリエンスが低いと、その人にむきになって対抗したり、反撃をしようとします。レジリエンスが高い人は、むきになったり反撃しようとしません。「なにか私に言ってるな」とか「この人はそういう考え方をするんだな。自分とは違うな。」などと思考して、なにかをされてもうまく受け流します。
そもそもレジリエンスが高い人は人間関係もうまく構築できるので、敵意をもつような人を周りに作りにくいとも言えます。
レジリエンスを高めるにはどうしたらよいか?様々な方法がありますし、研修プログラムなどもあるようです。
わたしが思うレジリエンスの高め方は、まず自分がどういう考え方をする傾向があるのかを知る事が第一歩だと思います。
例えば、なにか大事な物がなくなったときに考えることは人それぞれ違います。盗まれたかもと思う人もいますし、誰かが見つけて届けてくれるかもと思う人もいます。自分がなくしたから自分が悪いと思う人もいます。
それぞれの考え方で、次に起こす行動がことなってきます。盗まれたかと思う人は、騒ぎ立てるでしょうし、届けてくれると思う人は、問合せの電話をします。自分のせいだと思う人は落ち込んで反省します。
同じ出来事が起こっても、それぞれに行動が違うのは、その出来事に対する考え方が違うので、そこから湧き上がる感情が異なるためです。
感情が人それぞれ違うのは、出来事に対する思考が違うためです。
何か嫌な出来事があったときに、自分がどのように考えるのかを知る事はレジリエンスを高めることにつながります。自分の思考の傾向がわかれば、それに対して対策を考えることができるからです。
何か嫌な出来事が合った時に、なぜそう考えて、なぜそう行動したのかを書いて整理してみるとよいです。
まずは自分を知る事が第一歩。
最後までお読みいただきありがとうございました(^^)/