循環のフィジカルアセスメント~血圧編~ナースマンのブログ
循環のフィジカルアセスメントを行うには様々な観察項目があります
その中でも、血圧値をアセスメントすることは特に重要です
血圧値には、循環のアセスメントの多くがつまっているといっても過言ではありません
血圧値から分かることはなにがあるのか?
普段何気なく測定している血圧ですが、掘り下げて考えてみます
血圧=心拍出量×血管抵抗
という式があります
実はこの式に、大きな意味があります
心拍出量とは心臓が送り出す(一分間に)血液量のことです
血管抵抗とは、血液が血管という管を流れるときに生じる抵抗のことです
これを掛け合わせたものが血圧値となります
この式から考えてみると
例えば血圧が低いときは、心拍出量が少ないのか、血管抵抗が低いのか、どちらかになります
よって、血圧が低いときは心拍出量に関する観察と血管抵抗に関する観察を行い、なぜ血圧が低いのかアセスメントすればよいことにになります
心拍出量に関する観察?と言われても、いまいちわからないと思う人もいると思います
では、今度は心拍出量について考えてみます
心拍出量=1回拍出量×心拍数
という式があります
心拍出量は1分間に心臓が送り出す血液量なので
心臓が1回の収縮で送り出す血液量×心拍数(1分間の心臓の収縮回数)となります
では、心臓が一回で送り出す血液の量は何で決まるのか?
これには、主に3つの因子があります。
➀前負荷(心臓に戻る血液量=静脈還流量)
➁心臓の収縮力(心臓の筋肉が血液を送り出す力)
➂後負荷(心臓が血液を全身に送るときの抵抗)
例えば➀の前負荷(心臓に戻る血液量=静脈還流量)の場合ですが
心臓に戻る血液量が増加すれば、基本的には次に送り出す血液量も増加します
心臓に戻る血液量が減少した場合は、次に送り出す血液量も低下します(例えば脱水などです)
前負荷(心臓に戻る血液量=静脈還流量)は点滴や水分摂取で増やすことができます
脱水の人が点滴をして血圧が上昇する機序は次の2つの式を用いると次のように考えることができます
式➀心拍出量=1回拍出量×心拍数
式➁血圧=心拍出量×血管抵抗
点滴で前負荷が増える➡1回拍出量が増える➡1回拍出量が増えれば心拍出量が増える➡心拍出量が増えれば血圧が上昇する となります
(心拍数や血管抵抗がほぼ一定であるという条件がありますが)
では、心拍出量に関する観察項目は?
心拍出量=1回拍出量×心拍数
1回拍出量は➀前負荷(心臓に戻る血液量=静脈還流量)➁心臓の収縮力(心臓の筋肉が血液を送り出す力)➂後負荷(心臓が血液を全身に送るときの抵抗)に影響されます
よって➀の観察項目は心臓に戻る血液量≒循環血液量が適切かどうかになります
前負荷の低下≒脱水なので、観察は末梢冷感の有無 口腔内の乾燥の有無 尿量 Alb値等があります
このように、一つ一つアセスメントしていきます
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