水分補給は喉が渇いてからでは遅い理由~ナースマンのブログ~

水分補給は喉が渇いてからでは遅い理由

近日は気温も上昇して、本日はなんと猛暑日です☀暑いですよね…

暑くなってくると必ず話題になるのが熱中症ですね。

熱中症予防は、水分補給が基本ですが、喉が渇いてからでは遅いという理由について書きます。

体の水分

人間が、喉が渇いたと感じるのは、もちろん体の水分が減った時です。人間は体重の約60%が水分です。体の水分といっても、水分が存在する場所が色々あります。

水分が存在する場所は大きく分けると、細胞の中(細胞内)と細胞の外(細胞外)に分かれます。細胞の外はさらに血管の中を流れる血液の水分(循環血液)と組織間液(細胞と血管の中間にある水分)に分かれます。細胞の中の水分は細胞の外の水分よりも量が多いです。

人間は体の水分をこの細胞内と細胞外で移動させて調整しています。

喉が渇いたと感じる時

人間が喉が渇いたと感じる時は、どのような場合なのか。

血液の量が減ったときはどうでしょうか?

実は血液の量が減った時は、喉が渇いたとは感じません。血液の量が減ると、それを補うために体内で水の移動が起こります。血液は細胞外ですので、この場合は細胞内から水が細胞外へと移動します。

細胞内から水の移動が起こり、細胞内の水分が減少した時に、人間は喉が渇いたと感じます。

この水の移動ですが、即座には起きません。時間がかかります。

汗をかいた時に最初に失われる水分は、細胞外の水分です。ですので、汗をかいてすぐには通常喉の渇きは感じません。

時間が経過して、細胞内から水の移動が起こり、細胞内の水分が減少した時に、初めて喉が渇いたと感じます。

ちなみに細胞内の水分が体重の2%以上減った時に人間は強い喉の渇きを感じます。

水分補給はこまめに

喉が渇いたと感じた時には、すでに体の水分が減ってしまって時間がたっています。

水分はこまめに、喉の渇きを覚える前に取りましょうという理由は、おわかりいただけたでしょうか?

ちなみに、運動中や運動後は、体に吸収されやすい低浸透圧(ハイポトニック)の飲料がおすすめです。塩分(ナトリウム)などの、電解質も、体の水分の浸透圧を保つ上で非常に大事なので、やはり汗を多くかいた時は、スポーツドリンクがいいです。

熱中症

熱中症は、熱けいれん⇒熱疲労⇒熱射病というように重症度があります。特に汗も止まってしまい、体温の調整が効かなくなり高体温となった熱射病はかなり危険な状態です。

もちろん水分さえとっていれば、熱中症にならないという訳でもありません。

熱という「エネルギー」にさらされて体がダメージを受けた結果として起こるのが熱中症ですので、熱エネルギー自体を受けないように室温のコントロールや、日陰に入る、日傘をさすなども、いうまでもなくとても大事です。

最後までお読みいただきありがとうございました(^^)/